【関数・プロパティ設定をつかう】
7 文字列のループで1文字ずつ分解
8 文字が入っているセルの最大行を取得
9 文字が入っているセルの最大列を取得
10 行のループで複数の文字列を連続分解
11 列のループで複数の文字列を連続分解
12 指定した行番号と列番号のセル番地を取得
13 特定の文字列を指定文字列に置き換える
「今回は、Excel VBA/マクロによって、
Mid関数と文字列のループ処理、更に、行のループ処理を組み合わせて、
複数行の文字列を左端から右端まで順に1文字ずつ分解してみましょう。
サンプルデータとして次のようなExcelシートを用意します。」
「Excelの3行目に固定して、A列のセルから取得した文字列を左端から右端まで順に1文字ずつ分解した文字を、
B列からM列までのセルに順に格納してみましょう。
読込列:『ECm』をA列つまり『1』列、読込行:『ERw』を『3』行目、最大文字数を変数『MaxStr』、
書込列を変数『WCm』、開始位置を変数『StP』としてから、プログラムコードを考えてみましょう。」
「『ECm』を『1』、『ERw』を『3』として定数宣言、
『MaxStr』・『WCm』・『StP』を整数型として変数宣言。
Const ECm = 1
Const ERw = 3
Dim MaxStr As Integer
Dim WCm As Integer
Dim StP As Integerと記述します。
先ず、A列のセルの値から最大文字数を取得します。
MaxStr = Len(Cells(ERw, ECm).Value)
1文字目から最大文字数まで1文字ずつカウントアップしていきながら、
そのつどA列のセルの値を1文字ずつ読みとり、セル(REw, WCm)に書きこみます。
For StP = 1 To MaxStr
WCm = StP + 1
Cells(ERw, WCm).Value = Mid(Cells(ERw, ECm).Value, StP, 1)
Next StP
と記述します。」
Sub 指定行_1文字連続分解()
Const ECm = 1
Const ERw = 3
Dim MaxStr As Integer
Dim WCm As Integer
Dim StP As Integer
MaxStr = Len(Cells(ERw, ECm).Value)
For StP = 1 To MaxStr
WCm = StP + 1
Cells(ERw, WCm).Value = Mid(Cells(ERw, ECm).Value, StP, 1)
Next StP
End Sub
「その通りです。それでは、そのマクロを実行してみましょう。」
「2列目(B列)から11列目(K列)までのセルに『セ』『ル』『に』『文』『字』『を』『書』『き』『こ』『む』が、
書きこまれました。」
「Excelの3行目から12行目にかけて、A列のセルから取得した文字列を
左端から右端まで順に1文字ずつ分解した文字を、B列からM列までのセルに順に格納してみましょう。
読込列:『ECm』をA列つまり『1』列、
最小行:『MinRw』を『3』行目、
最大行:『MaxRw』を『12』行目、
読込行を変数『ERw』、
最大文字数を変数『MaxStr』、
書込列を変数『WCm』、
開始位置を変数『StP』としてから、プログラムコードを考えてみましょう。」
「『ECm』を『1』、『MinRw』を『3』、『MaxRw』を『12』として定数宣言、
『ERw』・『MaxStr』・『WCm』・『StP』を整数型として変数宣言。
Const ECm = 1
Const MinRw = 3
Const MaxRw = 12
Dim ERw As Integer
Dim MaxStr As Integer
Dim WCm As Integer
Dim StP As Integerと記述します。」
「ほぼOKなんですが、一点アドバイスします。
読込行:『ERw』を整数型『Integer』として変数宣言していますが、
整数型『Integer』では -32,768~32,767の範囲の数しか格納できません。
つまり、『Integer』では 32,767行までしか格納できません。
しかし、Excelの最大行数は、32,767行より、はるかに多いです。
Excel2003までは、最大行数=65,536行だったのですが、
Excel2007からは、最大行数=1,048,576行となっています。
そのため、もしマクロでExcelの行数が32,767行を超えるようなデータを扱うときは、
『Integer』ではデータを格納できなくなってしまいます。
だけど、長整数型『long』なら -2,147,483,648~2,147,483,647の範囲まで格納できます。
つまり、『long』なら 2,147,483,647行まで格納できます。
Excelの行数が32,767行を超えるようなケースもあるかもしれないので、
行に関して変数宣言するときは、長整数型『long』をつかうことをお薦めします。」
「わかりました。読込行:『ERw』は、長整数型『long』として変数宣言します。
Dim ERw As long
と記述します。」
「次に、A列のセルの値から最大文字数を取得します。
その後、1文字目から最大文字数まで1文字ずつカウントアップしていきながら、
そのつどA列のセルの値を1文字ずつ読みとり、セル(ERw, WCm)に書きこみます。
MaxStr = Len(Cells(ERw, ECm).Value)
For StP = 1 To MaxStr
WCm = StP + 1
Cells(ERw, WCm).Value _
= Mid(Cells(ERw, ECm).Value, StP, 1)
Next StP
このプログラムコードの集まりを【ブロックA】とします。
それから、Excelの最小行:『MinRw』(3行目)から最大行:『MaxRw』(12行目)にかけて、
各行の処理【ブロックA】をループ処理で実行します。
そこで、【ブロックA】をはさむように、
【ブロックA】の前後にFor ERw = MinRw To MaxRwとNext ERwを
追加します。
For ERw = MinRw To MaxRw
【ブロックA】
Next ERw
と記述します。」
Sub 行ループ_1文字連続分解()
Const ECm = 1
Const MinRw = 3
Const MaxRw = 12
Dim ERw As long
Dim MaxStr As Integer
Dim WCm As Integer
Dim StP As Integer
For ERw = MinRw To MaxRw
MaxStr = Len(Cells(ERw, ECm).Value)
For StP = 1 To MaxStr
WCm = StP + 1
Cells(ERw, WCm).Value _
= Mid(Cells(ERw, ECm).Value, StP, 1)
Next StP
Next ERw
End Sub
「それでは、そのマクロを実行してみましょう。」
「Excelの3行目から12行目にかけて、A列のセルから取得した文字列を左端から右端まで
順に1文字ずつ分解した文字が、2列目(B列)から13列目(M列)までのセルに順に書きこまれました。」
「予め、次のようなExcelシートを用意します。
ExcelのA列の文字が入っているセルの最大行を取得した後、最小行から最大行にかけて、
A列のセルから取得した文字列を左端から右端まで順に1文字ずつ分解した文字を、
B列からM列までのセルに順に格納してみましょう。
読込列:『ECm』をA列つまり『1』列、最小行:『MinRw』を『3』行目、
最大行を変数『MaxRw』、読込行を変数『ERw』、最大文字数を変数『MaxStr』、
書込列を変数『WCm』、開始位置を変数『StP』としてから、ソースコードを考えてみましょう。」
「『ECm』を『1』、『MinRw』を『3』として定数宣言、
『MaxRw』・『ERw』を長整数型として変数宣言。
『MaxStr』・『WCm』・『StP』を整数型として変数宣言。
Const ECm = 1
Const MinRw = 3
Dim MaxRw As long
Dim ERw As long
Dim MaxStr As Integer
Dim WCm As Integer
Dim StP As Integerと記述します。
先ず、ExcelのA列の文字が入っているセルの最大行を取得します。
MaxRw = Range("A65536").End(xlUp).Row
次に、A列のセルの値から最大文字数を取得します。
その後、1文字目から最大文字数まで1文字ずつカウントアップしていきながら、
そのつどA列のセルの値を1文字ずつ読みとり、セル(ERw, WCm)に書きこみます。
MaxStr = Len(Cells(ERw, ECm).Value)
For StP = 1 To MaxStr
WCm = StP + 1
Cells(ERw, WCm).Value _
= Mid(Cells(ERw, ECm).Value, StP, 1)
Next StP
このプログラムコードの集まりを【ブロックB】とします。
それから、Excelの最小行:『MinRw』(3行目)から最大行:『MaxRw』(12行目)にかけて、
各行の処理【ブロックB】をループ処理で実行します。
For ERw = MinRw To MaxRw
【ブロックB】
Next ERw
と記述します。」
Sub 最大行取得後_行ループ_1文字連続分解()
Const ECm = 1
Const MinRw = 3
Dim MaxRw As long
Dim ERw As long
Dim MaxStr As Integer
Dim WCm As Integer
Dim StP As Integer
MaxRw = Range("A65536").End(xlUp).Row
For ERw = MinRw To MaxRw
MaxStr = Len(Cells(ERw, ECm).Value)
For StP = 1 To MaxStr
WCm = StP + 1
Cells(ERw, WCm).Value _
= Mid(Cells(ERw, ECm).Value, StP, 1)
Next StP
Next ERw
End Sub
「その通りです。それでは、そのマクロを実行してみましょう。」
「Excelの3行目から12行目にかけて、A列のセルから取得した文字列を2列目(B列)から13列目(M列)までのセルに
左端から右端まで順に1文字ずつ分解した文字が、
順に書きこまれました。」
「このように、Mid関数と文字列のループ処理、更に、行のループ処理を組み合わせると、
複数行の文字列を左端から右端まで順に1文字ずつ分解することができます。」
◇もしもPython-xlwingsだったら、
2023-03-19
2021-12-20
2021-12-12